2008年02月14日の記事です。

2008年02月14日 XFLR5紹介

書いた人: いな(2008/02/14 01:20:17)

XFLR5紹介

XFLR5 Airfoil and Wing Analysis Tool

日本語の紹介ページが全くなかったので自分で作ることにした。
使ったことのない人への紹介としての文章です。
XFOILは使ったことあるよ的な人に向けて書きました。


XFOILは翼型の解析ソフトとしてはかなり良いソフトだが
コマンドラインインターフェイス(CUI)なので慣れるのに時間がかかる。
いちいち「?」コマンドを入れなくてはコマンドもわからない。
ヘルプも英語だし(涙
XFOILの30ページぐらいのドキュメントを読んだことがあるけど流体の話な上に英語で辛かった。

XFOILはきちんと使いこなせば「OPER」サブルーチンで翼の解析を行う他に、「GDES」サブルーチンで翼の形をいじりながら再び解析をかけるこもできる。
逆問題を解くことによって「MDES」「QDES」で好みの性能を持つ新しい翼型をデザインできたりもする。

けど使いやすさの点で敷居高い。
値が発散しまくってなんども「↑Enter」を繰り返すはめになる。
JavafoilなんてソフトもあるけどXFOILと値が微妙に異なるので知識も実験設備もない自分にはどっちを信頼するかという問題にもなる。
Javafoilの方がキレイで便利でわかりやすいとは思うけど、XFOILの値を使っている。


蛇足だが、XFOILでNASGにあった翼型やUIUC Airfoil Coordinates Databaseにある翼型全部解析かけてやろうと思ったことがある。
手動だと値が発散するために大変なのでスクリプトを組んで自動的にやろうと思っていた。
その時にEXPECTというインタラクティブなソフトの自動化プログラムを使おうとしてた。
自前のWindous環境下ではEXPECT本体もTcl/Tkの中にあるEXPECTでもRubyのexpectモジュールも動いてくれなかった。
なのでLINUX環境下で試してみてたり、Python言語のcommand関数を使ったりpexpectというモジュールを使えばできそうだとか妄想を広げてた。
このためだけにTcl/Tkやrubyやpythonの勉強をしてしまった。遠まわりすぎる(涙
学校でLinux環境を使うには権限が足りなくて不便だし、
結局Pythonでスクリプトを書こうかと思っていた。そんな妄想を広げているうちに自分でそんなに頑張る必要性もなくなり、うやむやにしていた。
そんなときに『XFLR5』を見つけた。



XFOILの敷居を少しでも低くしてくれるのがこのXFLR5というGPLライセンスのフリーソフト。
XFOILと同様に低レイノルズ数領域での翼型解析ソフト。
Andre Deperroisさんという人がFORTANで書かれたXfoilをC++に書きなおしてGUI化したソフト。
書きなおしただけではない。
計算した値を保存したりグラフ化したり、
本来模型飛行機用だと想像されるが機体の形を入力すると揚力線理論(LLT)や渦格子法(VLM)で
翼の(VLMで尾翼も含めた計算も可能)揚力・抗力・モーメント等々を計算してくれる。

もっと早くに知っていれば楽ができたのに、、、悔しい、、、

ちなみにこれ書いている段階でver3.21e。

まとめると

  • XFOILに比べて使いやすい翼型解析ソフト

  • XFOILと同じアルゴリズムで翼の流体解析

  • XFOILでありがちな値の発散に対して反復演算(Iteration)してくれる

  • XFOILと同様に逆問題にも対応し翼型設計可能

  • グラフにしたり比較が簡単にできる

  • LLTやVLMで任意の(翼についてはスパン・テーパー比・後退角・上半角・捩り下げ・翼型が指定可能、尾翼もつけれる)翼の揚力・抗力・モーメント等々を計算してくれる。

  • Wing Designでは3D表示ができる



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具体的使い方

インストールは簡単だと思うので使える環境が整ったとして説明する。

基本的に
  1. Foil Direct Design
  2. XFOIL Inverse Design
  3. XFOIL Direct Analysis
  4. Wing Design
という4つのアプリケーションモードがありメニューバーのApplicationから選ぶ。



順番にFoil Direct Designから説明する。



メニュー→File→Load Fileから翼型のdatファイルを選ぶと翼型を表示してくれる
たくさんごちゃごちゃしてきたら右下にあるShow Foilチャックリストをオフにすると消せるので使う翼型をたくさん入れてもすっきりする。
形を比較したいものを同時に表示させることができるので便利。

次の解析で使う翼型を読み込んでモードでもある。

メニュー→Foil→Interpolete Foilsで二つの翼型を任意の割合で補間して出力させることができる。

翼型を読み込む前から表示されているSpline Points Foilというのはメニュー→Splinesから制御点をコントロールして新しい翼型を作るというもの。Ctrl+クリックで制御点を増やすことができる。

読み込んだ翼型についてもその翼型を選択しておいてメニュー→Foilで様々に加工できる。
XFOILで対称翼にするコマンドがあったがそれはScale Camber and Thicknessからキャンバーを0にすることで対応できる。




XFOIL Inverse Design

これを使う必要があるような人は自分よりよっぽど流体についてもこのソフトについても詳しいと思うので省略。
翼周りの空気の流れの逆問題として翼型が決まるということをやるところ。
Full InverseとMix Inverseモードがある。
XFOILでいうと「MDES」や「QDES」に相当する。




XFOIL Direct Analysis

XFOILと同じアルゴリズムで解析を行うところ。
Foil Direct Designで読み込んだ翼について解析できる。

基本的な使い方は
調べたい翼型を選ぶ→メニュー→Define Analysis/Ploar またはRun Batch Analysisでレイノルズ数やマッハ数やNCritの値を決めて解析できる。
人力飛行機や模型飛行機の設計目的で変更するならレイノルズ数だけか。
解析モードが4タイプあるから使い分けられる人は使い分けたら良いと思う。


次のステップであるWing Designを実行するのにはRun Batch Analysisを行う必要がある。
使用する翼は何種類かのレイノルズ数で迎角も幅広くやっておくと後でエラーが出ない。

解析したらメニュー→Polars→Viewからグラフが見れる。






Wing Design

主翼や尾翼を定義して揚力線理論(LLT)や渦格子法(VLM)で翼がどんな性能を持つのか解析できる。

メニュー→Wing/Plane→Define Wing等から翼を定義する。
名前を付けて、
Pos.:中央からの位置
Chord:翼弦長
Offset:翼前縁からの距離
Dihedral:上半角(degree)
twist:ねじり下げ
FoilName:解析した翼型を選ぶ

をそれぞれ入力。
定義したらメニュー→Polars→deefine Ploar Analysisで解析タイプを指定する。
右にあるAnalyzeボタンを押すと計算してくれる。

計算が終了していたらグラフィカルに表示されるはず。
エラーが出るときは翼型の解析結果の範囲外に出てしまっているのでXFOIL Direct Analysisからやり直してレイノスルズ数の域を広くしたり、迎角を幅広く計算しなおすとたぶん計算できる。

Ctrl+左クリックで3D表示をグリグリ回せるので楽しい。





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自分はVLMの計算がうまくいってくれない。なぜなんでしょうか?
わかる人は教えてください。
ソースコード少し読んでみたけどうまくいかない理由がわかるわけなかった。



自分の書いたこの文を読むより英語のXFLR5のヘルプを読んだりサンプルファイルを開いて眺めた方がよっぽど使えるようにはなる。


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今年のMeisterの機体のスペックでファイル作ったので置いときます。http://www.meister.ne.jp/report/design/files/up1202917378.ina.2008meisterhpa.wpa
2008MeisterHPA.wpa

ファイルにはないですが実際にはウイングレットが付く予定。垂直尾翼の翼面積は正しいけど実際には形は少し異なる。

この記事へのコメント(4)

いな (2008/02/14 00:56:59)

管理人想定外の長さのレポートのせいでページが乱れまくりで涙目。
なんとかならないっすか?

「翠」と書いて「つん」と読む (2008/02/16 00:04:07)

PDFにしてうp!!笑

あと前に依頼のありましたPCルームのLinuxだけど、何とかなりそうよ〜
まぁ準備が整ったら連絡します

いな (2008/02/16 14:21:30)

>D様
ありがとうございます。Linuxは少し知ったところ、めんどくさそうで・・・

HTMLで書いたものをPDFにするとなるとTeXで書きなおしかなと。暇なら書き直してUPします(笑)
ということで何日かでUPしますw

いな (2010/09/21 18:48:09)

引退してしばらくしたOBだけど
このページが数人に見られてたので新しく個人のブログで解説を書き直しました.
http://d.hatena.ne.jp/ina111/20100828/1282977773

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