Human Powered Airplain
Meister Human Powered Airplain Econo Move Project
About人力飛行機についての説明です。 Part機体製作を分担する各班の説明です。 Reportテストフライトや試験の報告です。 Index総合目次です。 Bookmarkリンク集です。 Glossary用語集です。 BBS掲示板です。
INDEX
パイロット
シャフト班
操縦・電装班
設計主任

第二回テストフライト

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パイロット

人力飛行機
初の滑走路

初の飛行場TFパイロットとしてはコンディションも悪くなく万全の状態で望めました。
思ったよりも気温が高かったのでGTFの時みたいに凍え死ななくてすみました。
今回のTFでは滑走中心でまさか飛ぶことはないだろう正直思っていましたがTF5本目、少しスピードに乗った機体は両翼をきれいに上反させ宙に浮き上がりました。
あの瞬間の感覚はなんと言って良いかちょっと言葉にはし難い・・・
とにかく何かが体の中をふわっと過ぎ去って頭が真っ白になってしまいました、機体が浮いた瞬間に思わずガッツポーズしてしまうところでした。
風に受け入れられたあの瞬間は、2年間エアロバイクの上でもがいて苦しんだ日々が少しは報われた気分でした。いや、まじで感動です。

・・・とまぁうつつを抜かすのものこの辺で、今回のTFではとにかく飛んだことに喜び過ぎて冷静さを欠きすぎでした。
ラダーやエレベータの効きやドライブシャフトの感覚などいろいろ感じなければいけないところがほとんどとんでしまいました。
次回は、というかこれはMEISTERみんなに言えることですが、今回はたまたまうまく行きましたが次回も同じ条件でうまく飛んでくれるなんて保証はどこにもありません。
自分もそうですが各班まだ完成には至っていないはずです、グランドクルーも今回は無事機体を壊すことなくTFを終えることができましたが気の緩みから機体が大破なんてこともありがちです。
まだTFは始まったばかりです。大会まであと13週!
次回からまた気を引き締め直して行きましょう!

フライト中の機体
7月17日 琵琶湖の風になる!

パイロット 青山泰

シャフト班報告

第2回テストフライト駆動系レポート

テストフライトレポートと言うよりは、最近の僕の感想みたいになってしまいますが許してください。
今回は今年度初めて飛行場でテストフライトを行うということでしたが、始まる前はどうなるかとても不安でした。
回転試験をやって問題が発覚し、それを改善し回転試験を行って、また問題の発覚・・・何度も何度もそれを繰り返し一つずつ問題を取り除いていく過程ははっきり言って地獄でした。何度改善しても、問題は次から次へと発生し、回転試験のためにわざわざ集まってくれる人にも申し訳無かったし、このままずっとうまく回ることは無いのではないかと思ったことも何回もありました。
それでも色々な人に助けてもらい何とか回ってくれるようになったのは春休みも終わりかけのころでした。
なんとか回ったのは良かったのですが、プロペラのピッチ角を定常飛行時と同じにすると、回転試験の時にパイロットの負荷が大きすぎて、90回転を短時間しか維持できないという問題と、やはりTF時の着地の衝撃で駆動系にも影響がでるのではないかという不安がまだありました。
この二つの点はやはり実際にテストフライトをやってみて、設計どうりの機速が出た時のパイロットの負荷がどうなるか、実際に着地してどんな影響がでるかを確かめないと分からないものなので、回転試験で回ったからといって万事うまくいったとは限りません。
そこで今回のテストフライトに臨んだわけですが、今年のテストフライトでは実は駆動系は機体が組みあがって回転試験をやるまでは仕事がありません。他班のみなさん、楽してて申し訳ないです。
回転試験は二回90回転まで回してみましたが、特に問題はありませんでした。その後すぐにフライトに入った訳ですが、最初の方の転がしでは、浮いてはいないので(浮くはずが無いのですが)着地の時にどうなるかを確かめることはできませんが、アスファルトの上を転がす程度なら問題が無いという点と、やはり少しでも機速が出るとパイロットの負荷はかなり軽減されるということが分かりました。

フライト中の機体
手作りの駆動系

そして次に滑走(なんですよね?)に入って、まさか浮くとは思っていなかったのですが浮いてしまいました。いやむしろあれはほとんど飛んでるに近いのでないかと。
とても感動してしばらくはパイロットに感想を聞くのも忘れて、回りの人たちと喜んでいました。
パイロットに感想を聞いたところパイロットも興奮していてあまり負荷に関してはよく分からなかったらしいのですが、とりあえず着地の衝撃で駆動系に異常は見受けられませんでした。
その後二回やって冷静になったパイロットの負荷に関する感想は重さは感じるが、回転試験時とは比べ物にならないとのことだったのでとりあえずは安心しました。
今回のTFは駆動系としてはとても満足のいく出来だったと思います。実際TFをやってみないと分からなかった問題もなんとかなりそうですし、あと一回くらいのTFならば、今の駆動系でも十分にもつと思います。
まあとりあえず、 手作りのシャフト駆動でも人力飛行機は浮くんだよ!見たか! とか言っときます。

次回TFには間に合いませんが、現在、第三作目の製作をすすめています。多分このセットが本番用の駆動系になると思います。
三作目は二作目で発生した問題が解決するように設計をやりなおし、各部の機械部品の安全率を二作目よりも大きくとってあります。
そのため三作目は二作目よりも重量的には増えますが、より安定して動いてくれることを目的としています。
部品自体はすでに4分の3は完成していて、あとは残りの部品の完成と各部調整をしてゴールデンウィーク明けのTFには機体にのせる予定です。
班員の皆さん、もう少しの間お手伝いよろしくお願いします。

シャフト班主任 小森正裕

操縦・電装班

 浮きました!!

というわけで人力全体として大きな成果を見ることができた今回のTF、操縦電装班としてもいろいろ成果が見れました。

@操縦システムの正常な動作

今回はソフト面・ハード面うまく行っていました。

ハード面で一番嬉しかったのはV字です。パイロット曰く効きが良かったそうで、今年の課題であった「V字の改良」がうまく果たせたようです。その他の部分も、前回GSで問題だったロッド長の改善でリンク機構も正常に動き、操縦桿もほぼ正確にニュートラルに戻るようになりました。

コントローラの調整
コントローラの調整

ソフト面もほぼ誤作動無しで動きました。これもすばらしいことです。担当者からみればまだまだ改善の余地があるが、実用には十分足る、というレベルなので今の時点ではものすごく順調だと感じました。ただ消費電流が多いのでそこは次回までに直します。

A各種計測ユニットについて

操縦電装班と尾翼周り
操縦・電装班

今回はロガーの不調で各方面にご迷惑をおかけしました。具体的な症状としては、各計測ユニットからのデータを受信する際にノイズが混ざってしまい、結果として記録データおよびコックピット内の表示にエラーが生じてしまいました。原因は回路の不安定さにつきます。
それまでの使用状況には「振動」がなく、そのせいで直前まで不具合に気がつけず、ほかの改良を優先していたのが失敗の原因です。
このせいで各計測ユニットも正確な動作が確認できませんでした。とりあえずログが取れている 範囲では目立った誤作動はなかった、としかいえません。

これらを踏まえて、感想です。

ログ吸出し中の比嘉主任
ログ吸出し中

個人的な話ですが、TF中はロガーの不調のせいであまりうまく頭が回っていませんでした。
おかげで歓喜・焦燥・落胆の入り混じった非常に妙な精神状態になっていました…。

落ち着いて考えてみると、(TFに支障がないように)直さなくてはならない部分は今までやらなくてはなかった作業よりかなり少なくなっています。つまりはなんだかんだで操縦電装班の作業はかなり実を結んでいる、といえるのではないでしょうか。今回ヴィジュアルですぐわかる部分がイカレたので不安になった方も多いと思いますが、次回は期待にこたえます。

操縦電装班主任 比嘉康貴

設計主任

翼-翼接合
組み立ては順調

風速は定常で1m/s以下、気温は比較的低いが耐えられないほどではなく、適度な曇り空で絶好のテストフライト日和でした。今回のテストフライトが今年初めて飛行場で行なったテストフライトであり、飛ぶことの出来る状態にまで組み上がったのも今回のテストフライトが初めてでした。深夜1時半から組み立てを開始しました。今年は翼の接合部が緩いため組み立ては非常に順調に進み日の出の前にはすべてが組みあがりました。そこから重心測定、回転試験を行い機体の最終チェックをしました。重量は107kgでぴったりと設計値に収まりました。回転試験でもさほど問題は起こらずおもしろいほど順調でした。すべての準備が整ったところで見計らったように日が昇りそのまま滑走練習に移行しました。

転がし
転がし

最初はグラウンドクルー(※1)の練習のために「転がし(※2)」を行いました。あらかじめスターター(※3)練習をしていたおかげか転がしは比較的まっすぐと発進することが出来ました。機体が傾いたときの対応もそこそこよかったと思います。ただグラウンドクルーの受け渡しの方はまだこれから慣れていかなければならない様子でした。そのためグラウンドクルーの練習としてさらに数本「転がし」を繰り返しました。今のところはロガーが接触不良を起こして時たましかうまく動かないこと以外は特に問題はおきていませんでした。ところが3本目が終わったときにコントローラが電池切れを起こしました。また5本目の前に水平尾翼が設定値からかなりずれていることに気付き修正しました。コントローラがおかしな挙動を起こすのは非常に危険であるが電池を新しくしてなだめることになりました。そろそろ「転がし」も十分なので6本目は「滑走(※4)」を行ないました。

飛翔
浮いてしまいました。

ところがどういう訳かあっさりと浮いてしまいました。飛ぶことはまったく考えてなかったので減速の合図をかけているのに一向に止まる気配がないが飛んでいるせいだと気が付くのにしばらくかかりました。滑走の時は水平尾翼をニュートラルから2度ほどdownに切っているのでたとえ浮いたとしてもすぐに地面に降りてくるはずでした。しかし、地面に着くことを嫌っているかのように数十mほど滑空して滑走路の真ん中あたりまで飛んでようやく降りてきてくれました。左右の上反角は非常に綺麗に付いていてバランスもかなりよく非常に綺麗な飛行でした。パイロットにペダルの重さを聞いてみるとほとんど重さはなかったとのことでした。どうやら今年の機体の出来は非常によさそうです。一先ず回りの興奮が解けるのを待つため機体を滑走路の一番端まで移動させてしばらくカメラの映像を確認したりして時間を空けました。今回のテストフライトの目的であるジャンプ飛行と主翼の左右バランスの確認は出来たのでこのまま終わりにしないかとうい意見もあったが残された時間で出来る限りグラウンドクルーの練習をしたいので引き続き「滑走」をすることにしました。今回は機体が浮き上がらないように主翼迎角を下げることも出来たのですが下手にいじって変な挙動を示しても困るというのとあまりころころ変えると何がいけないのか解らなくなるのでしばらくこの状態のままにして様子を見ることにしました。すると今回もまたすっと機体が浮き上がりました。そして先ほどのごとくなかなか降りてきません。今年の機体は一度浮き上がるとなかなか降りてこないのは予想してはいましたがここまで綺麗に飛んでくれるとは思いませんでした。これまでずっとどこかにミスがあるのではと不安に思っていたのでようやく肩の荷が降りた気がしました。この調子で横風が収まるのを待って最後にもう一回だけ「滑走」をすることにしました。今度はほとんど浮くことなくまさしく「滑走」らしい滑走でした。最後の方で進路がずれて滑走路脇の草地に出てしまいましたが幸い大事には至りませんでした。

反省

今回のテストフライトは初のフライトとなり左右バランスが良好であることが確認されて満足しています。また垂直尾翼の反応もパイロットから好評でした。ペダルを漕ぐときの重さに関しては初フライトでは重さを感じなかったということでしたが2度目、3度目で慣れてきたらやはりそれなりに重かったということでした。やはり機体重量がかなりあるためそれなりには出力が必要になるようです。また軽々と浮いてしまった原因については気温が低く湿気が多かった、主翼の平均迎角が迎角測定地点とずれていた、向かい風であったなどいくつかの要因が重なった結果であると考えている。次回以降は機速と照らし合わせながら設計値に迎角を調整していく予定です。
なにはともあれ機体の完成度は非常に高く各班のがんばりに感謝しています。

グラウンドクルー
機体を守るために機体とともに併走する人たちのこと。テストフライトを安全に行なうためにはグラウンドクルーの働きが要となる。
転がし
だいたい早歩きと同じくらいの速さで機体を滑走させる。車輪の直進性の確認、グラウンドクルーの練習のために行なう。
スターター
グラウンドクルーの一員であるが最初に機体を発進させる5人のことをこう呼ぶ。特に真ん中にいる3人は固定で特別な役割を持っている。通常スターターというとこの3人×3組のことを表すことが多い。
滑走
小走り程度の速さで機体を滑走させる。主にグラウンドクルーが速さになれるために行なう。

設計主任 篠田崇

集合写真
初TFお疲れ様でした!
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