桁焼き   ←FRPtopへ

プリプレグシートを巻いた桁を、焼きます。(文責 仲)


CFRP桁を自作しているチームは何箇所かありますが、ここに書いてあるのはあくまでMeister流の桁製作方法です。
ここを読む前にtopic「桁巻き」を読んでください。


熱硬化
桁巻きを終えたら、その桁を加熱してプリプレグ中のエポキシ樹脂を硬化させます。
そうすることでプリプレグがCFRPになります。
このプリプレグを硬化させる工程をMeisterでは「桁焼き」と呼んでいます。

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これが桁焼きの風景です。黄色い細長いものの中に桁が入っています。
黄色いものは、桁の外側に巻いてある断熱のための難燃フェルトです。
また、マンドレルの内側にはニクロム線を用いたヒーターが通してあります。


キュアサイクル
ただ温度を上げればよいというものではなくて、
@約1℃/minで加熱
A80〜90℃で30分
B約1℃/minで加熱
C130℃で90分
D約1℃/minで冷却

といった順序で桁を加熱します。
プリプレグの硬化は高分子の重合反応であって温度に敏感なので、メーカーから得た資料や経験に基づいて決めました。
このやり方で焼いて失敗しても責任とれません(^^;

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温度制御器は、焼いている桁の表面に貼ったサーミスタの抵抗値を読んでヒーターのon-offを調節し、桁を134℃以下に抑えてくれる非常に便利な装置です。
現在学部4年のOBが現役時代に製作したものです。
これによって焼き作業がとてもやりやすくなりました。
ただ、加熱と冷却は、人間がヒーターにかける電圧やフェルトの厚みを調節しながらやっています。


脱型
このようにして焼いた後は、「脱型」をやります。
硬化した桁をマンドレルから引き抜く作業です。
太くて長い桁は10人以上で抜きます。
ほとんどの桁は抜けますが、過去には(今年度も)抜けなくて失敗したことがあります。
マンドレル表面の状態が悪い時や上手く焼けなかったときにこうなるようです。

Meisterで桁焼きをやるようになってから今年度で3年目です。それもあって桁焼きにはまだまだわからない事が多く、今後の課題です。

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